たくや
とこ豚トーク第4回よろしくお願いいたします!
よもぎだ
前回は大変失礼いたしました。よろしくお願いいたします!
今回は前回のとこ豚トークで少しだけ話題に出てきた
ブランド豚について掘り下げてお話していただければと思います。
よもぎだ
噂に聞くところによると
細川さんの会社でもブランド豚があるとか。
ないとか。
たくや
一応ブランド化させて頂いています!
ひっそりとですが(笑)
正確には、
細川農興でもっているブランドでは無く、
豚肉を卸している伊藤ハムさんで、
弊社の豚肉を銘柄豚として
ブランド化して販売しています。
そのブランド名は『横手豚』といいます。
よもぎだ
おぉー!
ずいぶんと大きい名前をつけましたね!
たくや
そうなんですよ!
詳しくは分かりませんが、
地名とかをブランド名につけて
商標登録は難しいはずです。
ですので、
商標登録はしてないんじゃないかな。
よもぎだ
確かに地名系は難しいですよね。
ところで、
横手豚はどこで販売しているんですか?
たくや
地元のスーパーで買えますよ!
イオン横手店と湯沢店です。
他には福島県の生協などで
販売しているはずです。
なぜに福島の生協で
横手豚なのか不思議ですが(笑)
横手豚は
普通の国産豚の隣に並んで販売されていますが、少し高い値段設定の割に、けっこう売れているようで、本当にありがたいです。
よもぎだ
横手の冠がついた豚肉が売れていると聞くと
なんだか嬉しい気持ちになりますね。
ところで、
ブランド豚って全国に200〜400銘柄程あるとの噂なんですが
本当ですか?
たくや
巷の噂ではそうですね!(笑)
実際そのくらいはあります。
先程も触れましたが、
商標を取っている、取っていないなど、
いろいろブランド化の度合いもありますが、
ちゃんと銘柄として登録しているもので
最低200以上はありますね。
その他に、自分で名前をつけて販売しているのを含めれば
数え切れないほどあります。
よもぎだ
そうなんですね。
ブランド豚って、ジャンルがたくさんありますよね。
有名な品種でブランド化しているアグー豚や黒豚、三元豚。
その他に、無菌で育てているのを売りにして
ブランド化している商品もありますよね。
よもぎだ
そうですそうです!
他には、前に香川県で見たのですが、
オリーブを食べさせた
オリーブ豚もありますよね。
よもぎだ
話は戻りますが、
ブランド豚って明確なくくりが無いですよね?
たくや
無いですね。
大きく分けるとすると2つありまして、
品種としてのブランド価値を
上げている銘柄豚か
食べている餌の内容に特殊性をもたせて
肉の味を変化させるブランド豚があります。
なんでその2つに大きく分けられるかというと
味の違いが大きく出る部分というのが
品種の違いと餌の種類だからです。
先程、黒豚といいましたが、それこそ品種の違いで味の特徴を売りにしている銘柄で、オリーブ豚であれば、餌にオリーブを混ぜています。他に有名所だと北海道のホエー豚とかあります。どの様な効果があるかは定かではありませんが、ホエーを食べると肉質が柔らかくなったりしそうですね。ざっくりしていてすみません(笑)
面白いものだと、
ほろ酔い豚などいう酒粕を食べさせているものもあります。
弊社も会社が酒処横手にあるので、酒粕を食べさせてみようかという話もあったりしたのですが、大きい会社さんにまとめて酒粕が流れたりなどあり断念しました。
余談ですが、
豚ってアルコールの消化機能がないんですよ。
それなのでビールを飲ませるとすぐ酔っ払うんですね。
よもぎだ
知りませんでしたね。
というか、ビール飲ませたことあるんですか?
たくや
昔、神経質な母豚がいて
暴れたりしないように酒を飲ませて黙らせておこうみたいな感じで、父が餌に混ぜて食べさせた?飲ませた?
ことがあるとかないとか!(笑)
たくや
昔です!
今そんなことしたら大問題になりますよ!
よもぎだ
昔とはいえども面白いことを試していますね。お父さん。
ビールを飲ませたのが母豚なのでありえませんが、もしその豚を出荷していたら
それこそ本当の『ほろ酔い豚』になりますね。
たくや
たしかに!(笑)
また脱線してしまいましたが、
銘柄はそのように分かれているという話です。
他にはSPF豚もありますが、
特殊性のある昔一番はやったものです。
SPF協会という組織が定めた病気がありまして、その病気にかかっていないことを協会に保証された豚肉がSPF豚として出荷でき、それがブランド化したものです。
ですので、
安心・安全を売りにしているといえば分かりやすいですかね。
味はもちろん美味しいですよ!
よもぎだ
一時期中国産問題とかありましたからね。
安心・安全は消費者からすれば大事です。
たくや
未だにあるんですよ。表面化していないだけで。
震災以降、風評被害もあり安心安全の価値が高まって
そういった意味でのブランド化も消費者にとっては価値があるといえます。
よもぎだ
そうですよね。
得体のしれないものを買うよりかは、ちゃんとしたものを買いますよね。
たくや
ちょっと真面目な話をしてしまいました(笑)
よもぎだ
久しぶりに真面目な話でしたね。
いろいろなブランド豚がありますが、
なんだかんだで黒豚とかの品種のブランドが有名ですよね。
たくや
基本あれですよ。黒豚は品種なので、
黒豚の品種を買って育てれば、
誰でもブランド豚を販売できるわけです。
ただ、黒豚は高い値段で取引できる反面、生産性があまり高くなく、飼養期間が一般の豚に比べて長い等、生産コスト面でのデメリットが大きい品種です。それがブランド化にも一役買っているとも取れますが、この品種を飼おうと思うとやはりそれなりに覚悟を持って取り組んでいかなければならないと思います。
たくや
ですがオリーブ豚等の餌に特色をもたせている豚はだいたいその農場がある場所の地域性が反映されています。横手だとりんごを食べさせた『あっぷる豚』があります。地域で余っているものをうまく利用して使えないか、そのような思いから始める方が多いですね。
逆に言えばブランド豚が乱立している原因でもあります。
個人的には、年々ブランド豚の価値が薄れてきているように感じます。
餌で特色をだすのは地域の為にもなるのでいいことではありますが、
そうすることによって著しく売上が伸びているのかどうかというと
すべてがそうだとも限りません。
ですので、私は銘柄に対する執着心はありません。
よもぎだ
細川農興さんは生産性にこだわりをもってますからね。
たくや
銘柄にする前にやれることがたくさんあるので、
そこを大切にしたいと思っています。
たくや
餌会社さんに、グループとして一緒に頑張っている4社一括で分量と配合をオーダーして発注しています。業界用語で指定配合飼料といいます。
その餌は、豚が食べて美味しいと思える味であり、
消化しやすくて、豚がすくすくと成長できるところに重点を置いています。
よもぎだ
特別地域性のあるものを食べさせているわけではないんですね?
たくや
今のところは無いですね。
例えば地域性のあるものを食べさせるとなると、当社の場合は、仙台の飼料工場で餌を作ってもらっていますが、その工場に秋田からどんな方法で運んでいくか?具体的に加算される運賃・労働コストがどうなるのか?等の問題点がでてきます。
たくや
すべてを自分で混ぜられるくらいの小さい規模の会社しかできませんね。
弊社の場合、二千頭いる豚に、手で給餌すると考えると到底無理な話です。
そうなったときの手間を考えて、
それをブランド化しても、どれだけのうまみがあるのか…。
マネーになるのか…。
よもぎだ
やめてください。
たしかに経営的な目線で考えないとですね。
たくや
ですので、もしやるとしたら、
餌会社さんに特色の出せるものを餌に混ぜてもらえるか交渉するなど、そういった話になってくるかと思います。
よくある話だと、秋田は米どころですので、
飼料米といわれる、飼料に混ぜる用のお米をたくさん作っており、
それを買ったり、預かったりして、餌会社さんに持っていってもらいます。
それを餌工場で配合してもらって、できた餌を買う流れになります。
それをやってくれるように交渉するわけです。
それが結果的にマネーになるかどうかって話になります!
よもぎだ
ありがとうございます。
細川農興さんの豚肉のおいしさを聞きたいとろでもあるのですが、
今日は聞きません。
最後に、いままで食べて一番美味しいと思ったブランド豚を教えてください。
たくや
良い質問ですね。
仕事柄、銘柄豚をたくさん食べていますが、
難しいですね!(笑)
すごく美味しいなって思ったのは
東北の豚なんですが白金豚(はっきんとん)が美味しいですね。
たくや
岩手県の花巻市ですね。
プラチナポークです!
養豚の業界で一年に一回東京で、
俺達の豚肉を食ってくれというイベントを開催しています。
内容としては、日本の生産者が作った豚肉を消費促進させるために、
国産豚肉を無料で振る舞う、というものです。
その時、白金豚を作っている農場さんがお肉を提供してくださった時がありまして、
その時食べてあまりの旨さに感動しましたね!
よもぎだ
食べてみたいですね。
食べたこと無いです。
たくや
脂身がしっかりと入っているのに、脂がくどくないんです。
脂が乗っていると肉質が柔らかくなるので、
繊維感が無くてさらっと食べられる美味しい豚肉です。
実は、白金豚の生産者さんとFacebookでお友達になっているんですよね。(笑)
たくや
他にはマンガリッツァがおいしかったです。
ハンガリーの羊のような豚なんですが、
イベリコの親戚で、めちゃめちゃ美味しいです。
ハンガリーの貴重な豚です。
よもぎだ
そろそろお腹も空いてきたので。
帰りますか。
たくや
とんかつでも食べにいきますか!
ではまた次回!ありがとうございました。
(おわります)