Page TopPage Top

『たくやのとこ豚トーク』について

豚をこよなく愛し
養豚の仕事は命の仕事と語る
細川拓也さんを話し手として迎え
豚に関するあんな事からこんな事まで
とことん語り尽くすコーナー
それが『たくやのとこ豚トーク』

業界のイメージをぶっ壊す!
をメインコンセプトに
養豚の新たな未来を見すえ
たくやのとこ豚トークはつづく

話し手 細川拓也さん(有限会社細川農興 常務取締役)
聞き手 蓬田太一さん(モノクロ株式会社)

第5回
デリカテッセン紅玉さんに行ってみたの巻

横手市にあるデリカテッセン紅玉さんに細川、蓬田が訪問。
店主の髙橋基さん、紅さん夫妻が優しく出迎えてくれました。

よもぎだ
本日は細川さん情報で、
紅玉さんに美味しい豚肉料理があるという
情報を聞きつけてやってきました。
くれない
はい。
よもぎだ
細川さんの豚肉を使った烏龍茶豚以外に
どのようなお料理がありますか?
たくや
以外ですか?まず以外ですか?(笑)
くれない
これ一本です。
もとい
いやいやいや。
くれない
挽き肉を使った、豆腐のハンバーグとか。
もとい
それから豚肉の林檎ソテー。
よもぎだ
けっこうありますね。
くれない
林檎ソテーの豚肉、実はアップル豚なんです。
もとい
そうだね!
たくや
料理によって使い分けてるんですか?
くれない
そうなんです。
あとは、ハンバーグにも使ってます。
要は一本買うんです、うちの店では。
もも一本買って、柴田畜産さんにカットしてもらって、
残りのトリミングした部分は全部ミンチにしてもらってるんですよ。
たくや
そうなんですね。
くれない
私はやっぱり一本買いたいのね。
部位で買うのってあまり好きじゃない。
バラも一枚とかね。
だってそういう方がかっこよくない?
たくや
かっこいい。超かっこいい。(笑)
くれない
でしょ?そうなの、そう言われたくて。
一本お願いって。
もも肉なら一本分だと大体3.6キロとか3.3キロとかになるじゃない?
そうだったらもうそのまま一本使いたいなっていうのがあって。
そういう買い方が本来だと思うんですけど。
最初の頃は、
トレーに合わせて大きさ決めるとか、
規格に自然なものを工業製品に合わせないといけない悲しさを私は感じていて。
くれない
その思いを、取引先の柴田畜産さんは分かってくれていて、一本をうち用にカットして納品してくれるんです。
残りは、ちょっと筋っぽいところは全部挽いてもらって、挽き肉にしてもらって、あの手この手で色んな物に。
挽き肉もやっぱり非常に使い勝手がいいので。
たくや
ありがとうございます。
今紅さんがおっしゃった、「トレーに」っていう話はですね、
豚の業界では、部分肉を収める箱の規格が決まっていて、出荷する豚の体重を大きくしすぎると、カットした部分肉が、規格に収まらないことがあります。
そうなると、肉としての格付けが下がってしまい、通常よりも安い価格で豚を売らなければならなくなるので、生産者はその規格に合うように豚を育てなければなりません。
肉質や味とはあまり関係ないところでも、豚肉の価値って決まってしまうんです。
話が逸れましたが、トレーというのはそういう類の話ですね。
よもぎだ
そうなんですね。
くれない
だからそれ聞いて、美味しいのがいいよねって。
たくや
実は、豚は大きく育てた方が、間違いなく美味しい。
くれない
ですよね。前に別の養豚業の方と会ったときにそんな話を聞いて。
そういう事って消費者って知らないじゃない?
たくや
そうですよね。
よもぎだ
私も初めて知りました。
くれない
でもよく考えると不思議なのよね。
スーパーとか売り手側の当たり前が、消費者の当たり前にもなってる。
本当はもっとお野菜でもお肉でも、生産者サイドで見ると、
こっちの方が美味しいよって言われればそっちの方が美味しいですもんね。
だから生産者が言う通りの方が市場の価値よりも美味しいことが多い。

たくや
ありがとうございます。すばらしいお話を。
さっそく良いお話を聞けたので、では解散で(笑)。
これで二回分いけるんじゃない?(笑)
よもぎだ
まだ始まったばかりです。
くれない
これ何に放送されるの?
よもぎだ
放送じゃないです。細川農興さんのブログに!
毎月更新してまして。
豚に関する色んなことを、二人でトークしていたのですが、
今回初めての出張で、紅玉さんにお話しを伺いにお邪魔した次第です。
よもぎだ
話は変わりますが、気になっていたことがありまして、
基本的にお店で扱っている豚肉は地元産のものだけですか?
くれない
そうです。
細川さんのところと阿部さんって醍醐のアップル豚の生産者さんの二箇所からだけです。
柴田畜産さんを信頼しているので、
何にも考えなくていいので楽です(笑)。
よもぎだ
珍しくないですか?地元産だけしか使っていないのは。
たくや
そうですね!お肉だけじゃなくて、
野菜とかそういった食材も地元産のものを?
くれない
できるだけ。
たくや
なるほど。
もとい
でも無いものも時にはある。
その時は地元の商店から購入してます。(笑)
たくや
大事ですよね、そういうのも。
くれない
世の中で大きな出来事が合っても、
いつも来てくれているからとか、
顔と顔を合わせて心が通じ合う、
地元のお店で買わせてもらいたいって思います。
くれない
今日の朝に牛乳屋さんと話をしたんですね。
牛乳屋さんは増田のたかよさんってところなんですが、
震災の時の話になって、
今みたいにものが急に無くなったりしてすごかったじゃないですか。
くれない
それで、ここにはものがあるって誰かが言って教えたり知ったりしたことによって、
今まで買いに来たことがないような人がお店にきたりしたじゃないですか?
だけど町の商店だから、いつも買いに来る人の顔はほとんど分かっていて、
いつも来ていただいているお客さんを大事にしたいなって思うわけです。
くれない
やっぱり私たちもあの時は、お客さんの顔がぱっと浮かぶから、
その時に自分たちってどういう風に振る舞えばいいのか、
考える機会になりましたよね。
だから今回新型コロナ問題があって、
とにかく普通に落ち着いていつも通りに頑張りたいと思います。
たくや
考えさせられますね。
よもぎだ
ところで、目の前に準備していただいている烏龍茶豚は細川さんが育てたお肉なんですよね?

くれない
食べてみてください!
たくや
じゃあいただきます。
旨い、美味しい!めちゃくちゃ旨い!!

もとい
いい表情してるよ!
くれない
本当にタレっていうか調味料なんて複雑にしてない。
1:1:2みたいなそんな感じで、すごいシンプルなんですよ。
だから烏龍茶で茹で上がったお肉をそれに漬け込むだけ。
本当にシンプル。
よもぎだ
何かきっかけがあって、
烏龍茶豚を作ろうと思ったんですか?
もとい
紅茶豚の元々レシピとしてあって。
烏龍茶豚でやった方がもっと油が抜けて
美味しいんじゃないかと思って試してみたのがきっかけです。
くれない
紅茶って紅茶の色がすっごい付いちゃうんですよ。
でも、今食べてもらった烏龍茶豚はすっごくいいオーガニックの烏龍茶使っていて、
それであまり色が出ないんですよ。
たくや
おぉー!高級!
くれない
普通の烏龍茶って色が濃いんですけど、
オーガニック烏龍茶だと色がそんなに強く出ないんですよ。
だからお肉がきれいに仕上がるし、
油が柔らかくなるんじゃないかなと思って。
それと、もちろんお茶も知ってる方から買わせてもらってます。
たくや
これがもも肉?もも肉?(驚)
もも肉って値段としては安い方の部位なんですね。
でもこの烏龍茶豚はすごくしっとり仕上がってて、もも肉だとは思いませんでした。
くれない
そうなんだ!
くれない
たぶんもも肉の嫌がられるところって、
パサついたりするからかな。
だからうちは全部芯温計で確認しているので、
もも肉のパサつき感が全然ないというか。
たくや
それでですか。
もも肉のパサつく感じがまったくないです。
だからすごく美味しく感じられるし、
すばらしい料理だなと。
くれない
だからみんな、「烏龍茶豚ってどこの部位を使ってるんですか?」
「もも肉」「えっ、もも肉なの!」と、驚く人が多いです。
実は、スチームコンベクションで調理してしっとりと柔らかく煮上げてます。
それまでは人海戦術で肉の仕上がりを四六時中チェックしていたんですが、
つきっきりで見ていることはやっぱり難しいんですよね。
スチームコンベクションを購入してからは、
お肉を美味しく仕上げるための作業量が激減しました。
美味しく仕上げるための設定も、
このスチームコンベクションを開発した会社のシェフにアドバイスをもらいました。
だから、様々な人の力が相まってこの料理はできあがったのだと思います。(笑)
たくや
ありがとうございます。
私も微力ですけれど、より良いお肉をお届けするために尽力します!
くれない
まずは素材が良いことが大切です。
もとい
低温でじっくり作ることがね。
よもぎだ
低温でじっくり作るから旨いんですね。
くれない
本来は茹で汁を中に入れてもいいですけどね。
よもぎだ
やっぱり家で作ってもこういう風にならないですもんね。
たくや
さすがに難しいよね。
(次回につづく)
2020.03.24